簡易企業型年金(簡易型DC)とは
企業型の確定拠出年金(DC)の普及を図るため、平成30年施行の改正法で「簡易企業型年金」(簡易型DC)という制度が創設されました。
簡易型DCは、通常の企業型DCと比較して制度の導入時に設立条件をある程度パッケージ化することで必要書類を削減することができたり、運用時における手続きが簡素化されています。
なお、令和2年10月1日からは制度の実施可能な従業員規模が「100人以下」から「300人以下」に拡大しています。小規模企業だけでなく中規模の企業でも導入が可能になったということになります。
「300人以下」とは、事業主が複数の事業所を経営している場合は全事業所の厚生年金被保険者の数で対象になるかを判定します。
【出典】厚生労働省HP「2020年の主な法改正」
簡易型DCで簡素化される事務
導入時に必要な書類の簡素化
導入時に必要な書類を、原則として以下のものに限定しています。
- 規約案
- 厚年適用事業所確認書類
- 従業員が300人以下であることを証する書類
- 労働組合等の同意
- 労使協議の経緯
- 労働組合の現況に関する事業主証明書
参考(添付省略とした書類)
- 運管委託契約書
- 資産管理契約書
- 運管選任理由書
- 就業規則 など
規約変更時の承認事項を届出事項に簡素化
届出事項を以下の通りとしています。
- 事業主の運管業務
- 運管委託業務
- 運管委託契約事項
- 資産管理契約事項
- 事業主掛金の納付事項
- 加入者掛金の納付事項
業務報告書の簡素化
報告必須事項を、以下のものに限定しています。
- 他の企業年金の実施状況
- 厚生年金保険適用者数
- 指定運用方法の選定状況(労使協議の経緯を含む。)
【出典】厚生労働省HP「確定拠出年金制度等の一部を改正する法律の主な概要(2018年5月1日施行)」
企業型確定拠出年金(DC)の導入はハードルが高いと考える場合
中小企業には、自社で「企業型」の確定拠出年金(DC)を導入するほかに、従業員が加入している「個人型」DC(iDeCo)を利用して 従業員のに掛金に上乗せ拠出する「中小事業主掛金納付制度」(iDeCoプラス)を採用することもできます。
確定拠出年金の企業型年金(企業型DC)と個人型年金(個人型DC)はどのような違いがありますか。
主な違いは次のとおりです。