公的年金や私的年金の加入可能年齢と受給開始選択年齢の見直し(R4.4.1~)

f:id:office_aya:20200428194611p:plain

 

f:id:office_aya:20191005140448g:plain

 


 

私的年金の拠出と給付の仕組み

 確定給付企業年金(DB)は、適格退職年金や厚生年金基金を継承した給付の制度として創設されました。一方、確定拠出年金(DC)は、米国の401kを参考にしつつ、貯蓄との違いを考慮した拠出建ての制度として創設されました。

 

 確定給付企業年金(DB)は、廃止の方向にあった適格退職年金や厚生年金基金の移行の受け皿としての位置付けであったことから、これら両制度の特徴を承継していました。それに対して、確定拠出年金(DC)は、資産が老後所得となることを担保するための措置であるという面を重要視しているため、中途の引出しは原則として禁止するという特徴を持っています。

f:id:office_aya:20200515130331j:plain


 確定給付企業年金(DB)と確定拠出年金(DC)とでは、制度創設の経緯を反映して拠出や給付の仕組みが異なっていますが、最終的には公的年金の給付と併せて国民の老後の所得確保を図るという制度の目的は共通しています。

 

f:id:office_aya:20200515130902j:plain

 

改正後の公的年金や私的年金の加入と受給の全体像

 今回の改正について、加入(積立)可能年齢と受給開始選択年齢をまとめた全体像が下の図になります。

 f:id:office_aya:20200515130339j:plain

 では、ひとつずつ現行がどのように変わるのか、詳細を見ていきましょう。

 


 

企業型DCの加入可能要件の見直し

  企業が従業員のために実施する退職給付制度である企業型確定拠出年金(企業型DC)について、現行は厚生年金被保険者のうち65歳未満の者を加入者とすることができます。ただし、60歳以降は60歳前と同一事業所に継続して使用される者に限られています。

 一方、同じ退職給付制度である確定給付企業年金(DB)はこのような年齢や同一事業所とする要件はなく、70歳未満の厚生年金被保険者であれば加入者になることができます。

 このように、同じ私的年金制度である企業型確定拠出年金(企業型DC)とDBに取扱いに差があったことから、企業型DCを企業の高齢者雇用の状況に応じた、より柔軟な制度運営を可能にするとともに、DBとの整合性を図るために70歳未満の厚生年金被保険者であれば加入者とすることができるように改正をすることになりました。

 

f:id:office_aya:20200515130345j:plain

 

個人型DC(iDeCo) の加入可能要件の見直し

 一方、同じ確定拠出年金ではありますが、個人型確定拠出年金(個人型DC=iDeCo)については企業型DCとはやや異なります。

 もともと個人型DC(iDeCo)は国民年金第1号被保険者(自営業者など)と企業年金のない国民年金第2号被保険者(サラリーマンなど)のために、60歳まで加入して掛金を拠出でき60歳以上で受給できるという上乗せ年金の制度と してスタートしました。その後、2017(平成29)年1月に企業年金のある国民年金第2号被保険者(公務員など)と国民年金第3号被保険者(専業主婦など)まで加入可能範囲が拡大され、被保険者種別にかかわらず国民年金被保険者を包括する制度となった経緯があります。

 現行は国民年金被保険者の資格を有していることに加えて60歳未満という要件があるため、国民年金第2号被保険者(サラリーマン、公務員など)や国民年金の任意加入被保険者であって60歳以上の者はiDeCoに加入(積立)できません。

 一方、iDeCoと同じ性格の上乗せ年金である国民年金基金についてはこのような要件がなく、第1号被保険者(自営業者など)や任意加入被保険者である国民年金被保険者であれば加入が可能となっています 。

 そのため、iDeCo(個人型DC)については、高齢期の就労が拡大していることを踏まえて国民年金被保険者であれば加入(積立)可能となるよう改正をすることになりました。

f:id:office_aya:20200515130354j:plain

 

f:id:office_aya:20200515131159j:plain

 

受給(支給)開始時期の選択肢等の拡大

1.確定拠出年金(DC)の受給開始時期の選択肢の拡大

 確定拠出年金(DC)については、企業型DC、個人型DC(iDeCo)のいずれも現行は60歳から70 歳の間で各個人において受給開始時期を選択できますが、今回の改正により公的年金の受給開始時期の選択肢の拡大に併せて上限年齢を75歳に引き上げることとなります。

 f:id:office_aya:20200515130402j:plain

2.確定給付企業年金(DB)の支給開始時期の設定可能範囲の拡大

 確定給付企業年金(DB)については、一般的な定年年齢を踏まえて現行は60歳から65歳の間で労使合意に基づく規約において支給開始時期を設定できますが、今回の改正により、企業の高齢者雇用の状況に応じた より柔軟な制度運営を可能とするために、支給開始時期の設定可能な範囲を70歳までに拡大することとなります。

 


 

まとめ

 f:id:office_aya:20200515130409j:plain

 

 

 

 

 

 

 

Office aya9 のプライバシーポリシーをこちらに掲載しております。