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国民年金や厚生年金などの「公的年金」や確定拠出年金(DC)などの「私的年金」、障害年金、社長の年金戦略などの年金エキスパートです。併せて企業戦略・防衛に即した退職金制度設計や就業規則の見直しを得意としています。

老齢年金受給開始時期の選択肢拡大(R4.4.1~)

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現行の繰上げ・繰下げ制度

 老齢年金の受給開始時期は、原則として60歳から70歳の間で自由に選ぶことができます。繰上げによる減額率・繰下げによる増額率については、選択された受給開始時期にかかわらず年金財政上中立となるよう設定されています。

 現行制度では、65歳より早く受給開始(繰上げ受給)した場合には年金額は減額(1月あたり▲0.5%、最大5年(60月)で▲30%)、65歳より後に受給開始(繰下げ受給)した場合には年金額は増額(1月あたり+0.7%、最大5年(60月)で+42%)となります。

 厚生労働省では、今回の改正で高齢期の就労の拡大等を踏まえ、高齢者が自身の就労状況等に合わせて年金受給の方法を選択できるように繰下げ制度を、より柔軟で使いやすいものとするための見直しを行っているとしています。

 

 

繰下げ受給の上限年齢の引上げ

 法改正により、老齢年金の繰下げ受給の上限年齢を現行70歳から75歳に引上げます。本来、老齢年金は65歳から支給開始ですが、受給開始の繰上げが60歳からできるので、両制度を併せると受給開始の時期を60歳から75歳の間で選択できるようになります。

 なお、これは改正法の施行時点で70歳未満の者について適用対象とされます。

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繰上げ減額率の見直し

 繰上げ減額率は1月あたり▲0.4%(最大5年(60月)で▲24%)、繰下げ増額率は1月あたり+0.7%(最大10年(120月)+84%)に改正されます。

 繰上げ減額率、繰下げ増額率はそれぞれの期間内において、数理的に年金財政上中立を基本として設定しており、繰上げ減額率は平均余命の延伸に伴い現行(1月あたり▲0.5%)より引下げられることになりました。

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上限年齢以降に請求する場合の上限年齢での繰下げ制度

 現行制度上、繰下げ上限年齢である70歳到達以降に繰下げ申出を行った場合、70歳時点で繰下げ申出があったものとして加算額の計算及び支給が行われています。

 法改正により繰下げ上限年齢が引上げられることに伴い、みなし年齢も70歳から75歳に引き上げられ、75歳以降に繰下げ申出を行った場合は75歳時点で繰下げ申出があったものとして年金を受給することになります。

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70歳以降に請求する場合の5年前時点での繰下げ制度

 70歳以降になってから請求を行い、かつ請求時点における繰下げ受給を選択しない場合、現行の仕組みでは、繰下げ増額のない本来額の年金が受給権発生時から支給されることとなりますが、その際一部の支分権(もらえる年金)が時効により消滅します。

 このため、繰下げ上限年齢を70歳から75歳に引き上げることに伴う対応により、70歳以降に請求したものの請求時点における繰下げ受給を選択しない場合、年金額の算定に当たっては請求の5年前に繰下げ申出があったものとして年金を支給するように法改正がされます。

 つまり、支給する年金には受給権発生から裁定請求の5年前までの月数に応じた増額を行うということです。

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加給年金・振替加算を受給しつつ繰下げを選択する方法

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【出典】 厚生労働省HP「第15回 社会保障審議会 年金部会 資料2」

https://www.mhlw.go.jp/content/12601000/000580825.pdf

 

 

 

 

 

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