全世代型社会保障検討会議 中間報告(①年金)

 2019年(令和元年)12月19日に首相官邸で開かれた全世代型社会保障検討会議で中間報告がまとめられました。少子高齢化を踏まえた提言は来年夏に最終報告がまとめられるようです。

 非常に興味深い項目が多々ありますので、その内容をまとめてみました。

 

 → ②労働 / ③医療 / ④予防・介護

 

 

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受給開始時期の選択肢の拡大

 国民一人一人が老後の生活設計を考えながら年金受給のタイミングを自分で選択できる範囲を拡大するため、60歳から70歳まで自分で選択可能となっている年金受給開始時期について、その上限を75歳に引き上げる。これに併せて、繰上げ・繰下げの増減率を、年金財政への中立を基本に最新の生命表等に応じたものに見直す。

 他方、70歳までの就業機会の確保に伴い、現在65歳からとなっている年金支給開始年齢の引上げは行わない

ポイント

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厚生年金(被用者保険)の適用範囲の拡大

 多様な働き方が拡大し、産業構造や就労構造の変化のスピードも速くなる中でも、全ての世代が安心して働くことができ、老後の安心を確保するためには、働き方の 形態にかかわらず充実した社会保障制度を整備する必要がある。

 現在は、週労働時間20~30時間の短時間労働者については、従業員500人以下の企業で働く場合、被用者であるにもかかわらず、厚生年金(被用者保険)への加入が強制されていないため、この企業規模要件について見直しを行う必要がある。

 一方、中小企業・小規模事業者は、利益率が大企業に比して低く、労働分配率も高水準になっており、最低賃金引上げや働き方改革など多くの課題に直面する中で、適用拡大による新たな事業者負担が大きな影響を及ぼすことが危惧される。

 他方、適用拡大の影響は業種によって異なり、特にパート比率の高い卸売・小売業やサービス業などで深刻と思われることから、そうした業界の声をよく聞きながら検討する必要があり、また、改革が実行される場合には、段階的な適用拡大の検討や中小企業・小規模事業者の生産性向上への支援、取引慣行の是正が必要である。

 以上を踏まえ、今回の改正では、50人超規模の企業まで厚生年金(被用者保険)の適用範囲を拡大することとする。スケジュールについては、2024年10月50人超規模の企業まで適用することとし、その施行までの間にも、できるだけ多くの労働者の保障を充実させるため、2022年10月100人超規模の企業までは適用することを基本とする。

 この際、中小企業・小規模事業者の生産性向上への支援を図るため、先端技術の実装を含め、革新的な製品・サービス開発のための設備投資支援や、小規模事業者 に特化した販路開拓支援、ITツールの導入支援等を複数年にわたって継続的に実施する仕組みを構築し、必要な財源を確保することとする。

 あわせて、短時間労働者への適用要件のうち、1年以上の勤務期間要件は、実務上の取扱いの現状も踏まえて撤廃し、フルタイムの被保険者と同様の2ヶ月超の要件を適用する

ポイント

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 また、5人以上の個人事業所のうち、弁護士・税理士・社会保険労務士等の法律・会計事務を取り扱う士業について、適用業種に追加する

ポイント

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在職老齢年金制度の見直し等

 高齢期の就労と年金をめぐる調整については、年金制度だけで考えるのではなく、税制(給与課税等とのバランス等に留意した年金課税)での対応や各種社会保障制度における保険料負担等での対応を併せて、今後とも検討していくべき課題である。

 そのような整理の下で、60~64歳に支給される特別支給の老齢厚生年金を対象とした在職老齢年金(低在老)については、就労に与える影響が一定程度確認されているという観点、2030年度まで支給開始年齢の引上げが続く女性の就労を支援するという観点、また、制度を分かりやすくする観点から、現行の28万円から65歳以上の在職老齢年金制度(高在老)と同じ47万円の基準に合わせることとする

ポイント

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 あわせて、就労期間を延伸して長期化する高齢期の経済基盤を拡充すべく、65歳以上の者の老齢厚生年金について、在職中から年金額の改定を毎年行い早期に年金額を増額させる在職定時改定を導入することとする。

ポイント

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ねんきん定期便等の見直し

 ねんきん定期便等の記載を見直し、公的年金制度のポイントを丁寧に伝えることで、国民の老後の選択を支援する。

 

私的年金の見直し

 公的年金制度の改革に併せて、私的年金の加入可能要件を見直し、加入可能年齢を引き上げるとともに、受給開始時期を柔軟化するなどの取組を行う。

ポイント

 社会保障審議会の企業年金・個人年金部会で私的年金制度の改革案が出されています。

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 【参考】

 → 厚生労働省HP 社会保障審議会(企業年金・個人年金部会)

 

 

 

 

 

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