最低賃金のルールは守られていますか?

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最低賃金制度とは

 最低賃金制度とは、最低賃金法に基づき国が賃金(時給)の最低限度を定め、使用者は、その最低賃金額以上の賃金を支払わなければならないとする制度です。

 仮に最低賃金額より低い賃金を労働者、使用者双方の合意の上で定めても、それは法律によって無効とされ、最低賃金額と同額の定めをしたものとされます。

 したがって、最低賃金未満の賃金しか支払わなかった場合には、最低賃金額との差額を支払わなくてはなりません。また、地域別最低賃金額以上の賃金額を支払わない場合には、最低賃金法に罰則(50万円以下の罰金)が定められ、特定(産業別)最低賃金額以上の賃金額を支払わない場合には、労働基準法に罰則(30万円以下の罰金)が定められています。

 

 なお、最低賃金の適用を受ける使用者は、以下の事項を常時作業場の見やすい場所に掲示するなど労働者に周知させるための措置をとらなければいけません。地域別最低賃金などの周知義務を怠ると30万円以下の罰金に処せられます。

  1. 適用を受ける労働者の範囲及びこれらの労働者に係る最低賃金額
  2. 最低賃金において算入しないことを定める賃金(精皆勤手当、通勤手当及び家族手当)
  3. 効力発生年月日

 

最低賃金の対象となる賃金

 最低賃金の対象となる賃金は、毎月支払われる基本的な賃金です。ただし、以下の賃金は含まれません。

  1. 臨時に支払われる賃金(結婚手当など)
  2. 1か月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)
  3. 所定労働時間を超える時間の労働に対して支払われる賃金(時間外割増賃金など)
  4. 所定労働日以外の日の労働に対して支払われる賃金(休日割増賃金など)
  5. 午後10時から午前5時までの間の労働に対して支払われる賃金のうち、通常の労働時間の賃金の計算額を超える部分(深夜割増賃金など)
  6. 精皆勤手当、通勤手当及び家族手当

最低賃金の対象となる賃金

【出典】 厚生労働省HP「最低賃金の対象となる賃金

 

 

地域別最低賃金と特定最低賃金

 地域別最低賃金は、産業や職種にかかわりなく同一都道府県内の事業場で働くすべての労働者とその使用者に対して適用される最低賃金として各都道府県に1つずつ、全部で47件の最低賃金が定められています。

 令和2年10月からの最低賃金(時間給)は全国平均が902円(前年901円)となり、東京都1,013円、大阪府964円、兵庫県900円などとなります。

→ 厚生労働省HP「地域別最低賃金の全国一覧

 

 一方、特定最低賃金は、特定地域内の特定の産業について関係労使が基幹的労働者を対象としており、地域別最低賃金より金額水準の高い最低賃金を定めることが必要と認めるものについて設定されています。平成30年10月1日現在で全国で232件の最低賃金が定められています。

→ 厚生労働省HP「特定最低賃金の全国一覧

 

 

派遣労働者が適用される最低賃金

 派遣労働者は派遣における都道府県の最低賃金が適用されます。派遣元が東京都にあっても派遣先が北海道であれば北海道の最低賃金が適用されるということです。

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【出典】 厚生労働省HP「必ずチェック最低賃金

 

最低賃金の計算例

月給制で支給される場合

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  1. 支給された賃金から、最低賃金の対象とならない賃金の通勤手当時間外手当を除きます。
    190,000円 −(5,000円+35,000円)
    = 150,000円

  2. この金額を時間額に換算し、最低賃金額と比較すると、
    (150,000円 × 12か月)÷(250日 × 8時間)= 900円 > 850円
    となり、最低賃金額以上となります。

 

日給制と月給制の組み合わせで支給される場合

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  1. 支給された手当から、最低賃金の対象とならない賃金の通勤手当を除きます。
    30,000円−5,000円=25,000円

  2. 基本給(日給制)と手当(月給制)のそれぞれを時間額に換算し、合計すると、
    基本給の時間換算額 4,600円 ÷ 8時間/日=575/時間
    手当の時間換算額(25,000円 × 12か月)÷(250日 × 8時間)=150円/時間
    合計の時間換算額 575円+150円=725円<800円
    となり、最低賃金額を下回ることになります。

 

すべて歩合給(出来高払制)で支給される場合

 1年間における1か月の平均所定労働時間は170時間、当月の時間外労働は30時間、深夜労働が15時間とします。また、最低賃金は時間額850円とします。

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  1. 所定労働時間に関係なく、その歩合給を得るために働いた月間総労働時間をもとに時間あたりの賃金額を算出します。
    なお、歩合給とは別に時間外(30時間分)及び深夜(15時間分)の割増賃金の支払(上記図における②に相当する部分)が必要ですが、時間当たりの賃金額の算出にあたっては、これら割増賃金は算入しません。
    136,000円 ÷ 200時間=680円
    この金額(680円)が換算された時間額に当たります。

  2. この時間額を最低賃金額と比較すると、
    680円<850円 となり、最低賃金額を下回ることになります。

 

固定給と歩合給(出来高払制)が併給される場合

 1年間における1か月の平均所定労働時間は170時間、当月の時間外労働は30時間、深夜労働が15時間とします。また、最低賃金は時間額850円とします。

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  1. 固定給と歩合給が併給されている場合は、それぞれ時間当たりの賃金額を算出し、これらを合算したものが時間当たりの賃金額となります。
    固定給部分: 119,000円 ÷ 170時間=700円
    歩合給部分: 42,000円 ÷ 200時間=210円
    固定給と歩合給の合算額:910円

  2. この時間額を最低賃金額と比較すると、
    700円 + 210円 = 910円>850円
    となり、最低賃金額以上となります。

 

【出典】 厚生労働省HP「必ずチェック最低賃金

 

 

中小企業・小規模事業者の生産性向上のための取組を支援する「業務改善助成金」

 業務改善助成金は、中小企業・小規模事業者の生産性向上を支援し、事業場内で最も低い賃金(事業場内最低賃金)の引上げを図るための制度です。 生産性向上のための設備投資(機械設備、POSシステム等の導入)などを行い、事業場内最低賃金を一定額以上引き上げた場合、その設備投資などにかかった費用の一部を助成します。

 

 支給の要件

  1. 賃金引上計画を策定すること
    事業場内最低賃金を一定額以上引き上げる(就業規則等に規定)
  2. 引上げ後の賃金額を支払うこと
  3. 生産性向上に資する機器・設備などを導入することにより業務改善を行い、その費用を支払うこと
     なお、1.単なる経費削減のための経費、2.職場環境を改善するための経費、3.通常の事業活動に伴う経費 などは除きます。
  4. 解雇、賃金引下げ等の不交付事由がないこと など

【参照】厚生労働省HP「業務改善助成金

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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