Office aya9 ~成長を楽しむためのパートナー~

会社のリスクを認識し、分散し、コントロールするためのお手伝い

厚生労働省「同一労働同一賃金ガイドライン」を読む(給与手当、福利厚生、教育訓練)

ポイント

 「同一労働同一賃金ガイドライン」から一般の企業で早急に検討しなければならない項目をピックアップしました。

 いずれも就業規則の変更も併せて行わなければならない可能性が高い項目なので、専門家の意見も参考にして労使で良く話し合うことが重要です。

 

 

〔基本給〕

f:id:office_aya:20190907100039g:plain

 当社では労働者の能力や経験に応じて基本給を支給しています。

 通常労働者Aさんのこれまでの経験は現在の業務と関連性を持っていませんが、有期雇用労働者Bさんに比べて多くの経験を有することを理由としても基本給を高く設定しています。

 この場合、「同一労働同一賃金」の考え方に照らして問題があるのでしょうか。

f:id:office_aya:20190907100051g:plain

 現在の業務と関連性のない経験を含めて「多くの経験を有する」としており、問題となる可能性が高い事例になります。

 基本給は、

  • 労働者の能力や経験に応じて支払うもの
  • 業績や成果に応じて支払うもの
  • 勤続年数に応じて支払うもの

など、その趣旨や性格が様々である現実を認めた上で、それぞれの趣旨や性格に照らして実態に違いがなければ同一の支給を行わなければいけません。また、実態に違いがある場合はその違いに応じた支給を行わなければいけません。

 

 

f:id:office_aya:20190907095945g:plain

 当社では労働者の業績や成果に応じて基本給の一部を支給しています。

 業績や成果による支給は、短時間労働者も通常労働者と同一の販売目標を設定し、いずれも販売目標を達成した場合にのみ その全額を支給しています。

 この場合、「同一労働同一賃金」の考え方に照らして問題があるのでしょうか。

 

f:id:office_aya:20190907095955g:plain

 短時間労働者も通常労働者と同一の販売目標を設定しており、問題となる可能性が高い事例になります。

 例えば、所定労働時間が通常の労働者の半分の短時間労働者に対して、その販売実績が通常の労働者に設定されている販売目標の半分の数値に達したときに通常の労働者が販売目標を達成した場合の半分を支給する方法であれば「同一労働同一賃金」の考え方に沿っていると考えられます。

 

 

f:id:office_aya:20190907100008g:plain

 当社では労働者の勤続年数に応じて基本給を支給しています。

 期間の定めのある労働契約を更新している有期雇用労働者の勤続年数の計算方法は、当初の労働契約の開始時から通算をしておらず、その時点の労働契約の期間のみから算出した勤続年数を計算根拠として支給しています。

 この場合、「同一労働同一賃金」の考え方に照らして問題があるのでしょうか。 

 

f:id:office_aya:20190907100023g:plain

 有期雇用労働者の勤続年数の考え方が通常の労働者に比べて不利に取り扱われており、問題となる可能性が高い事例になります。

 期間の定めのある労働契約を更新している有期雇用労働者に対しても、当初の労働契約の開始時から通算して勤続年数を評価する方法であれば「同一労働同一賃金」の考え方に沿っていると考えられます。

 

 

f:id:office_aya:20190907100039g:plain

 昇給についても基本給と同様に「同一労働同一賃金」でなければいけませんか。

 

f:id:office_aya:20190907100051g:plain

 昇給であって労働者の勤続による能力の向上に応じて行うものについては、同一の能力向上には同一の昇給を行わなければなりません。また、違いがあれば違いに応じた昇給を行わなければなりません。

 

 

f:id:office_aya:20190907095945g:plain

 定年に達した後に継続雇用された有期雇用労働者は、短時間・有期雇用労働者と同じように「同一労働同一賃金」の適用を受けるのですか。

 

f:id:office_aya:20190907095955g:plain

 短時間・有期雇用労働法(短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律)の適用対象になります。判断するに当たっては同法第8条の「その他の事情」として様々な事情を総合的考慮すべきと考えられます。

 したがって、定年に達した後に継続雇用された者であることのみをもって、直ちに通常の労働者とその有期雇用労働者との間の待遇の相違が不合理ではないと認められるものではないことになります。

 

 

〔賞与〕

f:id:office_aya:20190907100008g:plain

 当社では、通常の労働者に対しては職務の内容や会社の業績等への貢献等にかかわらず全員に何らかの賞与を支給していますが、短時間・有期雇用労働者には支給していません。

 この場合、「同一労働同一賃金」の考え方に照らして問題があるのでしょうか。

 

f:id:office_aya:20190907100023g:plain

 会社の業績等への労働者の貢献に応じて支給する賞与については、同一の貢献には同一の支給を、違いがあれば違いに応じた支給を行わなければなりません。

 例えば目標値を達成できなかったときなどに待遇上の不利益を課される一方で目標達成時には賞与が支給されるケースの場合、待遇上の不利益を課していないことを理由として、その見合いの範囲内で賞与を支給しないことは待遇の相違が不合理であるとはいえないと考えられます。

 

 

〔各種手当〕

f:id:office_aya:20190907100039g:plain

 当社は役職の内容に対して役職手当を支給しています。有期雇用労働者に対しては同一の内容の役職である通常の労働者と比べ役職手当を低く支給していますが、「同一労働同一賃金」の考え方に照らして問題があるのでしょうか。

 

f:id:office_aya:20190907100051g:plain

 役職手当であって、役職の内容に対して支給するものについては、同一の内容の役職には同一の支給を、違いがあれば違いに応じた支給を行わなければなりません。

 また、次の手当等についても通常の労働者と同一の支給を行わなければなりません。

  • 業務の危険度や作業環境に応じて支給される特殊作業手当
  • 交替制勤務などに応じて支給される特殊勤務手当
  • 業務の内容が同一の場合の精皆勤手当
  • 正社員の所定労働時間を超えて同一の時間外労働を行った場合に支給される時間外労働手当の割増率
  • 深夜・休日労働を行った場合に支給される深夜・休日労働手当の割増率
  • 通勤手当・出張旅費、労働時間の途中に食事のための休憩時間がある際の食事手当
  • 同一の支給要件を満たす場合の単身赴任手当
  • 特定の地域で働く労働者に対する補償として支給する地域手当

 

 

f:id:office_aya:20190907095945g:plain

 ガイドラインには退職手当、住宅手当、家族手当等の待遇が記載されていませんが、これらの手当は「同一労働同一賃金」の対象外ということですか。

 

f:id:office_aya:20190907095955g:plain

 ガイドラインに記載がないことをもって対象外になるわけではありません。ガイドラインに記載がなかったり具体例に該当しない場合についても、不合理な待遇差の解消等が求められます。

 このため、それぞれの企業や団体の労働者と使用者の間で個別具体の事情に応じて待遇の体系について議論していくことが望まれます。


 

〔福利厚生〕

f:id:office_aya:20190907100008g:plain

 福利厚生において、「同一労働同一賃金」はどのような考え方になりますか。

 

f:id:office_aya:20190907100023g:plain

 以下のように同一の利用や付与を行わなければなりません。

  • 食堂・休憩室・更衣室といった福利厚生施設について同一の利用
  • 転勤の有無等の要件が同一の場合は転勤者用社宅について同一の利用
  • 慶弔休暇について同一の付与
  • 健康診断に伴う勤務免除・有給保障について同一の付与
  • 病気休職について無期雇用の短時間労働者には正社員と同一の付与(有期雇用労働者にも労働契約が終了するまでの期間を踏まえて同一の付与)
  • 法定外の有給休暇その他の休暇について、勤続期間に応じて認めているものは同一の勤続期間であれば同一の付与(特に有期労働契約を更新している場合には、当初の契約期間から通算して勤続期間を評価することを要します。)

 

 

〔教育訓練〕

f:id:office_aya:20190907100039g:plain

 教育訓練において、「同一労働同一賃金」はどのような考え方になりますか。

 

f:id:office_aya:20190907100051g:plain

 現在の職務に必要な技能・知識を習得ことを目的として実施する教育訓練では、同一の職務内容であれば同一の教育訓練を、違いがあるのであれば違いに応じた教育訓練を行わなければなりません。

 

 

 

 

 

Office aya9 のプライバシーポリシーをこちらに掲載しております。