モデル就業規則(第4条、第5条) 採用の条項は本当に必要ですか?(採用関係)

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 厚生労働省が公表している「モデル就業規則」。今回は第4条(採用手続)及び第5条(採用時の提出書類)の条文について気付いたところをつらつらと書いてみます。

 


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就業規則は誰のための規則?

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  厚生労働省のモデル就業規則には採用に関する条文があります。モデル就業規則に限らず、一般の就業規則にも書かれていることが多いようですが、そもそも労働基準法で就業規則の絶対的必要記載事項でも相対的必要記載事項でもない事項を入れる必要があるのでしょうか。

 就業規則はその会社の労働者の就業に関する事項を定めるものです。「採用手続き」や「採用時の提出書類」は労働者の就業に関する事項ではありません。

 就業規則は人事担当者のマニュアルという側面もあるので規定したおいたほうがいい、という考え方もあるようです。しかし、就業規則を変更しようとすると過半数労働組合等の代表者の意見を記した意見書を添付して労働基準監督署に提出しなければいけません。例えば「採用時の提出書類」を一つ増やそうとしたときに、就業規則を変更するための煩わしい作業が必要になるということです

 また、不要な事項を就業規則に入れたがために不採用になった者から就業規則違反として訴えられるというリスクも考えられます。

 就業規則は会社の憲法です。会社を守るためには不必要なことを書いてはいけません!

 

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私が出した結論はいたってシンプル。

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  ただし、採用に関する基準が不要だとは言っていません。採用マニュアルとして就業規則とは別にマニュアルを用意しておけばいいだけの話です。マニュアルであれば必要に応じて社長や担当者の判断でどんどん修正が可能です。

 

  

採用マニュアルの作り方

 モデル就業規則第5条では「採用された日から  週間以内に次の書類を提出しなければならない。」として

  1. 住民票記載事項証明書
  2. 自動車運転免許証の写し(ただし、自動車運転免許証を有する場合に限る。)
  3. 資格証明書の写し(ただし、何らかの資格証明書を有する場合に限る。)
  4. その他会社が指定するもの

の4つを挙げています。

 1週間以内にしろ2週間以内にしろ、採用された者が正当な理由もなく書類を提出しなかったらどうなるのでしょうか。容認するのですか?それとも解雇しますか? その解雇は後々訴訟のタネになりませんか?

 必要な書類は採用の前日までに提出させるべきです。提出しない場合は「採用しない」。採用の段階で正当な理由もないのに約束が守れない者は、必ずや採用後にトラブルを起こすことになるでしょう。

 もちろん、「内定取消」で訴えられる可能性はあります。しかし、仮に試用期間内であったとしても「採用後の解雇」はハードルが非常に高いので、「採用しない」ことの方がはるかに解決すべき問題点が少なくて済みます。

 新規採用予定者に対しては、事前にその旨をきちんと説明しておく必要があります。また、提出させる書類についてなぜ必要なのか、提出させる目的もしっかり説明して明らかにしておく必要があります。

 

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 なお、提出させる書類は上記4つの他に次のような書類について要否を検討してください。

  • 身元保証書(身元保証人の印鑑証明書を添付)
  • 誓約書
  • 扶養家族届
  • 年金手帳・雇用保険被保険者証(前職がある場合)
  • 源泉徴収票(採用された年に他から給与所得を受けていた場合)
  • 健康診断書(労働安全衛生法上の健康診断項目など)
  • マイナンバー(個人番号)カードの写し、または通知カード等の写しと身元確認書類
  •  運転記録証明書
  •  機密保持及び個人情報保護に関する誓約書
  • (必要に応じて)身元保証書

 

 

 

 

 

 

 

 

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